PLAYNOTE The Reduced Shakespeare Company

2004年05月04日

The Reduced Shakespeare Company

[演劇レビュー] 2004/05/04 12:47
R.S.C.のメンバー
R.S.C.のメンバー

"The Complete Works of Shakespeare (abridged)"という変な名前の芝居を見つけた。説明を読むとこう書いてある。

「シェイクスピア全37作品を97分で上演します」

すごい馬鹿。ちなみに(abridged)とは"要約された"という意味。いくら何でも要約し過ぎだよ。

そもそもカンパニー名がなめている。"The Reduced Shakespeare Company"、略してR.S.C.。もちろんイギリスのRoyal Shakespeare Company、通称R.S.C.に引っ掛けてるわけだ。Reducedとは辞書上では"減量された"、"縮小された"という程度の意味だが、スーパーなどで「大安売り」の意味で使われているらしい。こんな面白い連中の芝居を見逃すわけにはいかない。観て来た。Criterion Thatreにて。

芝居のつもりで観に行ったが、もうほとんどコント。面白かった。日本で観た芝居も含めて、こんなに笑ったのは始めてかも、というくらい笑った笑った。

出演者はたったの三人。全員コンバースを履いて、ほとんど普段着で舞台に登場。それが衣装の早替えを駆使して次々と役を変わる。徹底的に要約されており、比較的長くやっていたロミオとジュリエットでさえせいぜい十分。セットも何もないから、肩車して「バルコニーのシーンだ」と言い出す始末。もう客は皆大笑い。

タイタス・アンドロニカスは料理番組風に。オセローはラップで(オセローは黒人の将軍の話。さすがに黒人にはなれないから、ラップで表現したらしい)。マクベスは完全なスコットランド訛りで(マクベスはスコットランドの王位簒奪の話)。喜劇十六篇はごちゃまぜにして一本に。リチャード三世に代表される史劇は、これも全部まとめてフットボール中継風に演じられた(王冠の奪い合いをフットボールに見立てたそうだ)

ちょっと客いじりが多いのが気になったが、イギリスの客は断然ノリがいいので悪い印象はない。むしろ会場全体が一体になっていた。笑わせるためには何でもするスタンスがすごい。加えて体のキレ、台詞回し、間が絶妙。スラングばかりで台詞は聴き取りづらかったが、見ているだけで笑えた。

シェイクスピアを崇拝するだけじゃなくて、こうやって馬鹿にして楽しむ土壌もあるんだなぁ。前日にちゃんとしたハムレットを見ていただけに、早送りや逆再生のハムレットを観るのは複雑な気分だったが、腹の底から笑えたのでよし。いつかDVD買おう(台本とパンフレットは買ってしまった)。来日公演しないかなー? 早口過ぎて字幕がついていけないか。

コメント

投稿者:しのぶ (2004年05月04日 16:52)

これが一番観たい。
友達になって日本に連れ帰ってください。

投稿者:Kenichi Tani (2004年05月04日 20:03)

だろうなぁと思った。好きそうだよなぁ。友達になれって? 努力します。

投稿者:しのぶ (2004年05月14日 18:30)

鳥獣戯画でやってました。
「三人でシェイクスピア」
http://www.linkclub.or.jp/~giga/3_file/3.html
観に行ってくるね。