PLAYNOTE 第130回芥川賞、若手女流作家二人が受賞

2004年01月16日

第130回芥川賞、若手女流作家二人が受賞

[読書] 2004/01/16 05:26
二人の写真
左:綿矢りさ、右:金原ひとみ

ハタチそこらの女流作家が三人もエントリーされてずいぶんと騒がれていた第130回芥川賞だが、何と、本当にそのうちの二人が受賞者に選ばれてしまった。「日本文学に新風の予感」とか「出版業界に活気」とか騒がれているが、単なる話題づくりでないことを切に願う。正直、どうなんだろ。

第130回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が15日、東京・築地の「新喜楽」で開かれ、芥川賞は綿矢りささん(19)の「蹴りたい背中」(文芸秋号)と金原ひとみさん(20)の「蛇にピアス」(すばる11月号)の2人が、史上最年少で決まった。

芥川賞選考委員の村上龍さんは「2人とも、年齢に関係なく破たんが少ない。肩に力が入っていないし、奇をてらっていない」と評価。特に金原さんを「感心するほどよくできていた」と絶賛した。

……村上龍のこのコメント、どう見ても「子どもの割によく書けたね」ってニュアンスだよな。「感心するほど」とか、露骨にガキ扱いしてるが、話題が作れればそれでよかったのか? だいたい最近のお前はそれほどご立派な作家なのかと問いたいものだ。

どうでもいいがてにをはおかしいな。「金原ひとみさんの『蛇にピアス』の二人に決まった」って、二人じゃなくて二作と書くべきだろ。まぁ新聞記事なんてこんなもんか。

綿矢さんは、京都市出身、早大教育学部2年生。17歳のとき「インストール」で文芸賞を受賞、32万部を数えるベストセラーになり、映画化が進んでいる。今回の受賞作は、女子高校生を主人公に、思春期の微妙な感情を描写した。

綿矢の『インストール』は随分前に読んだが、あそこまでもてはやされるほどの作品とは思えなかった。等身大の女子高生の心情が文字の間からにじみでている感じはしたし、それなりに楽しめた。飽きさせないというだけでも、彼女の年齢を考えれば驚異。

が、それはそれ。「彼女の年を考えれば」すごいというだけで、三十二万部ですか? 売れるほどの良作とはとても思えなかった、というのが正直な感想。インターネットでこれだけ多くの人が日記を公開しているのを見ているから彼女の創作性が同年代の中では確かに図抜けていることはわかるけど、それでもやはりネットのプチ作家に毛が生えた程度と思う。

金原ひとみに関しては読んだことないので、明日にでも図書館ですばる十一月号コピーして来て読もう。

金原さんは東京都生まれ。受賞作は舌に穴をあける「身体改造」に没入する若い女性の生きづらさを、現代風俗を絡めて鮮烈に描いた。

面白そう。タイトルのセンスも好きだ。やっぱ文学はどこか屈折してないとなー。と思う自分の屈折をどうにかしたい。