2004年01月06日
ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督『1980』
最近舞台の方はとんと観ていないけど、やっぱり気になるケラリーノ・サンドロヴィッチの初映画監督作品。遅まきながら観て来た。テアトル新宿にて。
オープニングのテクノカット少年のモノローグと、プラスチックスの曲に乗せたちょっとサイケで古臭いアニメーションを見た時点では、正直「これはやばい、すべってるぞー」とヒヤヒヤしてたけど、後半からは水を得た魚のごとく元来のケラの勢いがうなる。三人姉妹が三者三様に男運の悪さを発揮しながら、1980年という時代をバックに悩みながらも前に進んでいく姿が印象的。
1980年代のテイストを徹底的にいじっていて、一歩間違えばB級テイストの珍映画になり兼ねないヤバイ匂いの漂う映画だったけど、結果的にはその80年代という設定が笑いのための小道具を超えて、映画のメインテーマへと繋がって行く。以下、公式サイトより。
監督は時代考証にこだわり、でかい留守番電話機、スライム、ウォークマン(ファースト・モデル)、YMO「ライディーン」(79)……と、80年12月までに存在したモノだけで画面を構成した(一部演出意図で例外あり)。しかし、映画が描き出すのはノスタルジーというよりも、ジョンの死からコンピュータ・ミュージックへ向かう「過渡期の世界」に生きた人々への優しい眼差しなのだ。(文:川勝正幸)
ロックンロールやフォークソングをステレオセットやコンサートでみんな一緒に聴いた時代は終わり、時代は弦の音の鳴らないテクノミュージックを一人ウォークマンで聴く時代へと移っていく。ラスト、屋上のシーンで三姉妹の一人がぽつりとつぶやく台詞が印象的。
「(ウォークマンを指して)これ、三人で聴くには不便だね。」
あー、憎いなぁ。
ただブラックな笑いで客をわかせるだけじゃなくて、最後にぽろっとこういうことをこぼしちゃうのがケラのドラマなんだと思う。もっとも、こんなことを言うと本人は照れるか怒るかするのだろうが。
俺は1982年生まれなので1980年テイストはさっぱりわからないし、YMOなんかろくすっぽ聴いたことないけど、それでも何となくこの「過渡期の時代」
の手触りとか、焦燥感とかはわかる気がする。前からそれを知っていたのか、この映画がそれを伝えてくれたのかはわからないけれど。
いい映画だったと思う。(笑い:じーん)の比率が(9:1)くらい。いい比率。個人的には自主製作映画が失敗に終わって、ぶっ壊れてヘッドバンキングで踊り出しちゃう眼鏡の映画部部長の姿が最高に心に残った。面白かったー。
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投稿者:くり (2005年06月15日 11:49)
あたしも最後のカセットのシーンはすきです。
でも、それが「みんなで聴く」から、「一人で聴く」に移っていることを表しているとは気付きませんでした。
なるほどってかんじです。
投稿者:Kenichi Tani (2005年06月16日 01:06)
ありがとうございます。自分のレビューがひとさまに別の観方を提示できるってのは、これほど嬉しいことはありません。二重コメント&トラバは削除しときましたー。
投稿者:mature slut (2005年07月08日 02:22)
Thanks!
投稿者:ゆらおん (2005年11月30日 19:02)
この前スカパーで放送してたの見て、ホントに爆笑しちゃいました。今お笑いブームも去りつつあるので、、こんなに笑ったのも久しぶり!!!役者さんもそれぞれ良い味だしてますよね。でも、この映画2003年に公開してただなんて、全然知らなかった。。。
今はDVDに録画してあるのを繰り返し見てます。
もっとケラさんの作品見てみたいですね。
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